対馬が特別な環境としてそこにあるから大切にしなければならないのか
 では、特別でない環境とはこの世のどこにあるというのか 


 

ご挨拶

初めまして。長崎県対馬市で環境保全活動を展開しています、NPO法人mob対馬自然共生ネットワークです。


豊穣の海であった対馬の沿岸で、ありとあらゆる海藻の消滅が始まって38年ほどの年月が過ぎてしまいました。対馬市美津島町賀谷において、2018年から活動を始めた藻場保全組織は、2021年12月に特定非営利活動法人賀谷藻場保全会と改め、賀谷地先海域での保全活動に邁進してまいりました。
当地域で藻場を復活させ、小さい成功例を確立していくためには、対馬北東部に残された藻場の情報が頼りの綱となっていました。 

しかし、2023年春、対馬全島の藻場が消失するという現実に直面し、2024年春の時点では、対馬沿岸部の全域において消失した藻場の再生は確認できていません。対馬に藻場がなくなってしまった今、賀谷地先に限定した作業では、藻場の再生は遠のくばかりと判断いたしました。

特定非営利活動法人賀谷藻場保全会は、2024年7月11日『NPO法人mob対馬自然共生ネットワーク』と名称を改め、その活動範囲を賀谷地先に限定せず対馬全島沿岸に拡大する道を選択しました。

今を生きる私達一人一人に出来る事は何なのかを模索する日々ではありますが、
かけがえのない豊穣の海を取り戻す取り組みにどうぞお力添え下さいませ。

活動内容

その1 海の中の観察 定期定点観測と情報共有
モニタリングと月例報告会を実施しています。

素潜り漁、地元ではカツギと発音しますが、地球を担ぐ形からではなく、万葉集の言葉、潜き(かずき)・潜く(かずく)が訛ったものと思われます。かつぎ漁師によるモニタリングポイント51か所の景観被度(海藻の生息密度)観察を随時行い、月に一度海底撮影、ロガーによる水温と濁度(20分毎)の測定を続けています。
mob対馬のモニタリングの様子などは、SNSにてご確認くださるか希望があればグーグルドライブで共有いたします。

その2 海藻の種を海に入れる活動
mob対馬の最重要作業は、海藻の種を海の中から切らさないようにすることです。
種を海に入れる作業は、人為的な疑似藻場作りから海藻の養殖、天然石の投入による種苗の確保などがあります。
海藻の種を、魚や貝などから食べられないように防御枠に入れるものと、入れないものとに分けて、海底や海中に設置しています。設置する場所も、海底湧水、川からの水、外海の波、潮の流れなど、様々な条件を考慮して選択しています。

この作業で得たカジメ類の母藻や種苗を、対馬全島の漁港に拡散し、再生の可能性を広げるとともに賀谷藻場で繫殖させたカジメの消滅を回避して行こうと計画しています。

その3 山への植樹作業と植樹祭 土中環境の改善
空気と水の浸透循環を回復させ土中環境の改善を得ることで海底湧水を活発にしようとしています。海底湧水の増幅を図る事で藻場を再生させる事が狙いです。

また山作業の副産物である間伐材を使って、イカ柴産卵床を作成し海に設置しています。

(草食魚を直接駆除するのではなくアオリイカ資源の回復を持ってアイゴやイスズミなど草食魚の食圧の低減に繋げようとするものです。) 

その4 対馬の産品の販売
応援会員様向け返礼品の販売による活動資金の捻出と関係人口の拡大を目指しています。
藻場保全作業を継続させ地域を維持していく為には自らの手で稼ぎ出した活動資金が必要である、との観点から対馬の産品を販売しております。
ヒトの営みもまた自然環境と切り離す事は出来ないとする考えから相互依存の中で共生の姿を模索し現物経済に立ち返る挑戦的実践を続けて行きます。

催事や返礼品など産品の売り上げで得た利益の100%は藻場保全の活動費となります。


 

その5 環境と保全の大切さを皆さんにお伝えする活動
広く多くの人々に環境と保全の大切さを知っていただく為に、SNS等での発信・観察会・体験学習などを通し関係人口の裾野を広げてまいります。

また年間を通してmob対馬の正会員(社員)と応援団体である藻部会員を募る事で、一人でも多くの仲間を得たいと考えています。 

 

2024年7月11日に登記が完了した私たちの団体の説明。
 
2018年から始まった藻場保全活動は当初、賀谷というとても小さな漁村で始まりました、地先面積(漁業権を行使出来る範囲)も、よその浦々(対馬全島で124)と比べたら僅かなものなのですが、その小さな海で小さな再生を成功させる事が、必ず対馬全島そして世界の海の再生に繋がると信じて、賀谷藻場保全会として取り組みを始めました。

ところが2023年春、遂に対馬全島沿岸において藻場が消失いたしました。 
全島から藻場が消失した今、その活動を加速させなければならないとの思いから賀谷で繫殖させたカジメ(現在保護枠内に在るカジメは発芽したその年に種を出す早熟カジメと考えられています)を一般に販売するのではなく、対馬全島漁港に拡散すべきであると決意しました。2018より積み重ねてきた藻場再生の実効性を持った作業内容と共に対馬全島へ拡散する為により多くの仲間の手助けを期待して法人名を変更『NPO法人mob対馬自然共生ネットワーク』としました。

世界ではIPCC 気候変動に関する政府間協議の場に於いて、「気候危機」への対応と気温上昇の緩和に向けた世界的な協調行動が遅れるならば、人類の未来は閉ざされてしまうと結論づけています。現在、海藻の消滅が人々の想像を超えて、生態系全体の壊滅への悪循環を生み出している可能性は否定できません。今の私たちに出来る事が限られているとしても、今やっておかなければいけない事を、一つ一つ確実にやり遂げていく思いでいます。

しかしながら、豊穣の海の復活を信じた藻場再生の活動は、今を生きる私たちを犠牲にするものではありません。
なぜならば、人間の社会活動が招いた現代の異常気象と自然環境の変化、それらがもたらした生態系の崩壊が、巡り巡って人の社会生活に影響を及ぼし始めた今、この現実を深く見つめる事が出来ずに戦争を続ける人々の心の中は、「明日にばかり希望を抱いている事による障害」が出ているとしか思えないからです。

現代人は今を生きる事をすっかり忘れてしまった気がしてなりません。
明日だけを見つめ遮二無二生きてきた年月が、今日、目の前に広がる壊れた海を作ってしまったのではないかと言う思いに至っております。
ですから、mob対馬とは生まれ来る者達を想い死者達を想うと同時に、今を生きる私たちの為の組織でもあるのです。今ここに在る事の幸せに気づけないままでは決して未来に幸せは来ないと言う思いでその活動や作業を喜んでやっています。

私たちの活動は四季折々の大自然の営みと共にあります。
よくよく見つめ続ける事(モニタリング)、共生の模索(海底湧水を活発にする山畑作業)、草食魚の捕食生物を増やす事(イカ産卵床の設置)、海藻の種苗を投入する事(種苗生産、天然、養殖、疑似藻場作り)、活動継続の為の資金を自らの手で得る事(産品の販売、藻部返礼品)、活動を理解し共感してくださる仲間を増やす事(祭事の開催、会員の募集、伝心伝承、啓蒙活動)です。
これらの活動を通して、海の森を再生し、今ここにある事の喜びと辺境の地に生きる素晴らしき日々を、より多くの人々と共有する事を目指しております。皆様のご理解とお力添えをいただければ幸いに存じます。

そしてどうか、平和運動や環境保全活動が、怒りと憎しみにみちた言葉ではなく、愛と慈悲にみちた言葉で、微笑みと共に語られる事を切に望みます。 

  NPO法人mob対馬自然共生ネットワーク 理事長  鎌田 衛 

NPO法人mob対馬自然共生ネットワークでは年間を通して応援会員(対馬藻部)の募集をしております

 

リンク集


対馬の漁師として「環境革命への道」

2018年からの代表のブログです

Facebookページ